関与者責任の追及・刑事告発等

関与者責任の追及

1.背景

 住専や破綻金融機関の処理に公的資金が用いられたことを背景に、1996年頃から、国会質問等を通じ、破綻金融機関の旧経営者や返済資力がありながら財産の隠蔽をはじめとした回収妨害を行う悪質な債務者等に対する厳しい責任追及を求める世論が高まりました。

 こうした中、1998年2月の預金保険法の改正により、整理回収銀行が取得した資産について預金保険機構に対し貸付債権等の債務者への罰則付調査権(預金保険法附則第14条の2、第24条)が付与され、同年10月の預金保険法改正により、預金保険機構による破綻金融機関の旧経営者に対する責任追及活動を正面から見据えた規定として、破綻金融機関の旧役員等に対する報告徴求権限の規定(同法第 37 条第 3 項)が設けられました。

 さらに、2021 年の預金保険法改正により、保険金支払方式による破綻処理を行う場合においても預金保険機構が破綻金融機関等の役員等に対する損害賠償請求権を買い取ることが可能となる規定(同法第 128 条の 3)が新設され、保険金支払方式においても預金保険機構は、役員等に対する責任追及等の措置をとることができるようになりました。(同法第 37条の 2)

2.業務の遂行について

 整理回収機構は、預金保険機構からの委託(同法附則第 10 条第 1 項)を受けて行う破綻金融機関との資産買取契約上、買取資産の中には、破綻金融機関の役職員等に対する損害賠償請求権も含まれており、必要に応じ、整理回収機構が、預金保険機構とともに責任追及業務を遂行しています。

 具体的には、預金保険機構が、譲り受けた破綻金融機関の資料等や関係役員等へのヒアリングなどによる調査を行い、その結果を踏まえ両機構で協議を行った上で、両機構又は整理回収機構単独で、旧役員等の善管注意義務違反・忠実義務違反による損害賠償請求訴訟等の民事訴訟を提訴するなどの方法で旧経営者等の責任を追及しています。

 整理回収機構が旧経営者等に関する責任追及において取り上げた責任内容は、①融資決裁責任、②違法配当、規定に反する退職金の支払などの融資以外の責任、③資産運用責任、④監査法人の責任、⑤住専に対する銀行の紹介責任、⑥違法な資金流出の受益者の共同不法行為責任に分類されます。

3.業務実績

  1. (1)

    住専7社の経営者の責任追及
    1997年5月の関与者責任追及弁護団発足より、住専の経営者責任追及についての終結宣言をした2000年11月29日までの間、住専7社の経営者43名について責任を追及し、約7億円の損害賠償金を回収しております。

  2. (2)

    母体行の紹介融資責任追及
    これまで、5つの金融機関との間で、裁判上の和解・民事調停等により約57億円の損害賠償金を回収しています。

  3. (3)

    破綻金融機関の経営者責任追及
    破綻金融機関の経営者等に対する損害賠償請求訴訟等は、金融整理管財人により提起され整理回収機構が承継したものを含め、88金融機関、130事件に及んでおり、これまでの破綻金融機関の経営者等から累計額で約126億円の損害賠償金を回収しております。

上記の(1)住専7社の経営者の責任追及、(2)母体行の紹介融資責任追及及び(3)破綻金融機関の経営者責任追及による損害賠償請求での回収合計金額は、190億円となっております。

破綻金融機関の経営者責任追及のための
損害賠償請求訴訟件数
責任追及による損害賠償金の回収累計額
(実収ベース)

88金融機関

訴訟事件数:130件

紹介融資責任追及 57億円
経営者責任追及 133億円
合計 190億円

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