対外発表 The Resolution and Collection Corporation
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平成14年9月4日
株式会社 整理回収機構
各位


 整理回収機構(RCC)は、UFJ銀行と米国メリルリンチの系列会社の協力を得て、金融機関の不良債権処理の一環として企業グループの再編を目指す「RCC企業再編ファンド」を設立しました。
 概要は以下の通りです。

1. RCC企業再編ファンドの概要(資料1.イメージ図ご参照)
(1)形態 金銭信託以外の金銭の信託(以下、「金外信託という」。注1)

(2)投資家 メリルリンチの系列会社。

(3)目的 債務者企業グループの再編・再建。

(4)規模 ファンドによる買取の都度、信託金を追加。

(5)時期 買取依頼がある都度、RCCは再編・再建の可能性、計画の検証・策定を実施。

(6)対象 UFJ銀行から再建の可能性ありとして買取依頼を受けた債務者グループに対する債権。

(7)期間 原則として、ファンドに組み入れた債務者グループの再編・再建計画が完了するまでを期間とする。

(8)RCCの役割
ア) ファンド組成。
イ) UFJ銀行から買取依頼を受けた債権に係わる債務者グループの再編・再建の可能性の検証とその計画の策定。
ウ) 債権者間の調整。
エ) 再編・再建計画の実施及びそのモニタリング等。

(9)メリルリンチの役割 ファンドに対する資金の信託

(10)UFJ銀行の役割 再編・再建の可能性がある債務者グループの選定、再編・再建への協力、ファンドへの債権の売却。
(注1) 金銭の信託は、金銭信託と金銭信託以外の金銭の信託とに分類される。金銭の信託のうち、信託終了時に信託財産を金銭に換価し受益者に金銭で交付するものが金銭信託であり、信託財産を現状有姿で受益者に交付するものが金銭信託以外の金銭の信託である。


2.RCC企業再編ファンドの特色・意義
 RCC企業再編ファンドの特色は金外信託という方式を使うことで民間の資金を活用し、RCCが債務者企業グループの再編・再建計画の策定・実施に、金融機関の協力を得つつ、主導的な立場で関わる点にある。第一号案件が近々ファンドに持ち込まれ、債権の購入資金など再編に必要な資金はメリルリンチから信託を受ける予定。

 従来、企業の再編・再建に際しては、債権者間の調整等に時間がかかることも多々 見られる。例えば、債務者企業グループには、正常企業のほか不振企業も抱えているために、全体として破綻の危機に陥っているケースがあり、そうしたケースでは個々の企業の債権者は同一ではないことが多い。このような場合においては、RCCが公正・中立な立場からグループ再編・再建計画の策定、調整等に積極的に関与することで、当該企業グループの再編・再建が迅速・円滑に推進される結果に繋がると期待される。

 RCCは、昨年10月の「改革先行プログラム」において企業再建のためのファンドを設立、又はこれに参加するよう要請されており、これまでUFJ銀行をはじめとする 金融機関やメリルリンチを含む民間投資家等と積極的に協議を行い、様々な手法の検討・開発を続けてきた。今回のファンドは、その一手法の実現として設立に至ったものである。

 RCCとしては、他の金融機関や民間投資家からも同様の要請がある場合には、今回のファンドと同種の金外信託の活用を含めて、社会の要請に応えるべく、積極的な役割を果たしていく所存。本件以外にも他の手法の検討・開発を続け、企業再生の促進を目指す予定である。

以上