| Ⅳ. |
委員からの発言 |
| RCCから今回のテーマ（「回収関連業務・組織及び業務運営上の問題点」）について説明した後に､以下のような意見や質疑応答があった。 |
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| ● |
回収関連業務について |
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| （RCC） |
借り手及び破綻金融機関の旧経営者等の刑事告発を担当する特別対策部という部門がある｡主な業務は､業務上知り得た犯罪の告発に関することと妨害行為排除にかかわる債権管理･回収担当部への支援に関することである｡告発業務の法的根拠としては､住専法第12条第9号他各法律により当社は告発義務を負っており､定款にも記載している｡告発の罪種別では､競売妨害､詐欺､強制執行妨害が大半を占めており､暴力団等の関係者が絡んだ事案もあり､手口も巧妙化している｡ |
| （委員） |
RCCが債権を譲り受ける前から不法占拠等がわかっている場合と譲り受けた後でわかる場合があると思うが､わかっている場合は買取価格に反映されているのか｡ |
| （RCC） |
一定の算式の下で減価して買取っているので､買取価格に反映されている｡金融機関による競売申し立て後に､当該物件を暴力団に占拠され対応できないので､なんとかRCCで対応してもらいたいとして53条で買取った例もある｡ |
| （RCC） |
当社としての回収が終わった後に追跡調査をしてみると､詐欺があったことが判明したような場合や先順位債権があり当社としては元々回収可能性が見込めないものであったが､調査の結果以前の不動産売却時に中抜き詐欺があったことが判明したような場合に､当社としては後順位債権者であり回収可能性はないが､犯罪を認知した以上は告発をするという姿勢で臨んでいる｡告発には､証人出廷等多大な負担がかかることもあり､ 債権買取先の金融機関に調査結果を伝えても告発に消極的なところもある｡ |
| （委員） |
理屈からすると告発しなければならないのだろうが､現場の苦労を考えるとなかなか大変な点も理解できる｡ |
| （RCC） |
RCCの将来の在り方を考える中で、民間では対応困難な反社会的勢力等コスト割れをする可能性が高い債権回収事案についても､公益性の維持･秩序維持に重きを置いて取り組んでいるところである｡ |
| （委員） |
RCCは通常の意味での株式会社とは言えず国の一つの組織なので､仮にコストがかかってもやるべきことはやらなければならない｡RCCのような組織でないとできないことをやっている。海外の法律専門家等から日本では抵当物件を不法占拠していると金儲けになるのかと聞かれることがある｡色々な理由があると思うが､立法と運用の形式的な対応が遅れていると思う｡最終的には不法占拠をしてもそのような者が儲からない仕組みにする必要がある｡ただ、そのような仕組みがすぐにできる訳ではないので､暫くはRCCが困難な業務を担わなければならないのであろう。 コスト面の損得だけでRCCの存在意義を求めるのであれば､なかなか世の中に理解してもらうのは難しいだろうが､民間企業ができないことをやっているのだから､社会正義の実現という役割を理解してもらえば良いのではないか｡その点今は必ずしも周知されていないように思われる｡また､不正･犯罪行為をしても得にならないシステムやルールを国が作らなければならない｡ |
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| ● |
組織及び業務運営上の問題点について |
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| （RCC） |
平成11年4月の発足時は､住宅金融債権管理機構の事業部制を引き継いだ関係で､旧住専7社に対応した事業部がありそれぞれの事業部に支店があったので､支店は52､分室･出張所は27もあったが､平成 17年度末では､支店25､ 分室2となっている｡また､最も多い時(平成14年度)で年間51の金融機関から債権を譲り受けたが､商品性が金融機関毎に異なるため､短期間で集中的に譲り受けるには､それぞれの金融機関･業態に合ったシステムで受け入れることが必要であった｡このため､当社が発足した時には15のシステムがあった｡このシステムの統合が業務の合理化を図る上で非常に大きな問題であったが､平成18年1月に漸く一本化が完了し､業務の効率化･コスト削減が図れた｡職員の面では､自立経営及び関与者責任の追及を図る観点からプロパー化を進めた｡また､新規採用がない中で､職員の高齢化･債権の回収が進捗しており､今後､人と業務量のバランスをどうして行くかが課題となっている｡また､出身母体が様々なので､社員に愛社精神がどれ位あるのかという複雑な問題もある｡給与体系の一本化がなかなか進まず組織管理がかなり難しい中で､モチベーションを高めて､如何に使命を達成して行くかについて､通常の会社では見られないエネルギーが必要｡ |
| （委員） |
何のために会社を一体化したのか｡いくら寄り合い所帯とはいえ給与体系等がバラバラだというのは理解し難い｡ |
| （RCC） |
出身母体によって元の給与格差は大きく､場合によっては当社に来ると給与がアップするというようなことがないような配慮をしてきた結果でもある｡ |
| （委員） |
プロパー職員とはどういうものなのか｡ |
| （RCC） |
当初は､住専の母体行が受け皿会社を作り､その会社から職員を当社に出向させる形としていたが､自立経営を図るため､RCCの自前の職員へと切り換えたものである｡紹介者責任･関与者責任を厳しく追及するためには､母体行から切り離しプロパー化することが必要だったという背景もあった｡ |
| （委員） |
新規採用がない中で､職員の給与体系が異なるのであれば､本当の意味でのプロパー化とは言えないのではないか｡ |
| （RCC） |
当初は､上記のような事情もあって過去の給与体系を引き継ぐ面もあったが､一昨年から新しい給与制度を導入し､職務に応じた給与体系としてきている｡今年度以降更に進めて行く｡ |
| （委員） |
人件費の総額はかなり削ってきているが､職員の平均年齢は少しづつ上がっている一方で､平均給与が下がっているのは何故か｡ |
| （RCC） |
嘱託職員の雇用期限到来等により､年令構成が変化して行くので影響があり､当社の場合時系列的な平均という数字はあまり馴染まない｡また､定期昇給はなく､職務給としているので､平均年齢が上がっても平均給与には影響しない｡ |
| （委員） |
賃金のベースダウンを実施しているのではないですね｡ |
| （RCC） |
ベースダウンは行っていない。 |
