| III. |
委員からの発言 |
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| RCCから今回のテーマについて説明した後に、それぞれのテーマについて以下のような意見や、質疑応答があった。 |
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（RCC） |
最近では、再生法53条に基づく買取債権（健全金融機関から譲り受けた債権）について、債権の買取価額を超えて回収を行なうべきではないとの指摘を受けることがある。 |
| （委員） |
買取債権の中には、買取価額を回収できないものも一杯あるわけで、こうした中で、買取価額を上回る回収ができるものがあれば、当然に回収すべきと思われる。買取価額如何に拘らず元本の回収を行なうことが、整理回収機構のあるべき姿、課せられた義務ではないかというふうに思う。 |
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| （委員） |
保証履行請求に対して、保証人から保証否認の申し出があるようなケースは実際にあるのか？ |
| （RCC） |
譲受前の金融機関において、本人の保証意思を十分に確認する事務処理が行なわれていなかったために、問題を残しているケースは皆無ではない。 |
| （委員） |
保証契約の効力に疑義があるケース以外でも、業務上のマニュアル等に定めのないような想定外の事態が生じることもあるのではないか。 |
| （RCC） |
重要・異例な案件については、社内で十分検討し、場合によっては、社長の判断を仰ぐ体制をとっており、慎重に対応している。 |
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| （委員） |
回収指針の「契約の拘束性の追及」と「人間の尊厳の確保」というのは全く相反する理念である。このため、担当者によってウェイトの置き方が異なり、担当者交代によって債務者に対する対応方針が相違することで、債務者とのトラブルに繋がることもあると思う。それを防ぐ方策として、具体的にどの様なことをやられているのか、お聞かせいただきたい。 |
| （RCC） |
債務者に対する個別の回収方針の決定にあたっては、事案の内容によって、拠点長または役員が最終的に決裁し、さらに、その過程で弁護士も関与することで、同一の理念・方針に基づき、組織的な判断がなされる体制をとっている。公的サービサーとしての精神が行き渡るよう配慮している。基本的には回収極大化を目指すものではあるが、債務者が人間的な生活を維持できるよう常に意識しながら、回収方針を決裁している。それでも、不平不満を持たれた方がいろいろ言ってこられることはあるが、これに対しては、本部に相談室を設置して、苦情・要望を受付け、1件1件丁寧に対応している。 |
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| （委員） |
債権の買取価額を超えて回収を行なうことが、RCCのあり方としてコンセンサスを得ているのであれば、債権の買取価額を開示してもよいのではないか。 |
| （RCC） |
なかには債権の買取価額を開示せよと迫ってくる債務者もいる。債務者とすれば、銀行はRCCに債権を安く売っているのだから、それにいくらか上乗せして返済すれば、それで済むという期待を持っている。しかし、RCCの買取価額はあくまでも銀行とRCCとの間の取引価格で、誠実な債務者は買取価額に拘らず全額弁済に努めており、債務者間の公平性の確保という問題がある。あくまで契約に基いて、弁済能力の限度で全額弁済を求めることが基本姿勢であり、担保からは時価相当額以上の回収に努めている。この原則を遵守としないと、モラルハザードが生じる虞があり、基本姿勢を貫くためにも、回収にあたっては買取価額は開示しないという対応をしている。
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| （委員） |
整理回収機構の重要な存在意義の一つは、債権者としての合理性を追求するという、いわば債権者としてのロールモデルを示していると考えている。確かに個別の案件では、柔軟な対応を必要とする案件もあるということは解かるが、回収の基本ルールは堅持すべきである。個別事案で債務者に甘い対応をするのは簡単なことだと思うが、長期的に見れば、モラルハザードを誘発することになる。公的な役割を担っている整理回収機構においては、「人間の尊厳の確保」に留意しながらも、同時に「契約の拘束性」は是非重視していただきたい。 |
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| （委員） |
預金保険機構の持っている特殊な情報収集権について、何か具体例や、一般的な方針があれば、教えていただきたい。 |
| （RCC） |
例えば、預金保険機構の調査権を使って回収した例として、備忘価格で買取った債権について、多額の回収に結びついた事例がある。この事案は債務者自身には資産が無かったが、預金保険機構の調査により、債務者の子息が代表を務めている関連会社に債務者から不明朗な資金移転があることが判明した。この関連会社の資産を保全して差し押さえた上で、債務者・保証人と交渉して、多額の回収に成功した事例がある。資産隠匿の懼れや疑いがある債務者に対し、申告内容の信憑性、資産内容を明確に検証するために預金保険機構の調査権を活用することとしている。 |
