対外発表 The Resolution and Collection Corporation
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RCC信託機能を活用した不良債権処理案件の実施について

平成14年9月27日
株式会社 整理回収機構
代表取締役社長 鬼追 明夫

 今般、整理回収機構(RCC)では、昨年8月に政府方針によって付与された信託機能を活用して、下記の2つのタイプの不良債権処理を目的とした信託を受託する予定ですのでお知らせします。


【再生型管理信託の受託】
1. 取組みの背景とスキームの概要
(1) RCCの企業再生本部では、破綻金融機関から譲受けた債権"W社"につき、メイン銀行A行と協働することによって再生可能性があると判断し、同社の再生を円滑に進めるために、他の取引金融機関に対して再生機能を有する再生法53条での買取りの折衝を進めてきた。

(2) その結果、3つの金融機関(C行・D行・E行)から再生を前提としての買取が実現することとなり、買取り後の同社向け債権シェアが40%弱となった。

(3) これに、主要取引銀行であるB行の債権を追加すれば、シェアの過半を占めることとなることから折衝を続けてきたが、B行は相応のシェアの債権を有しており、現段階で売却の意思はないが、主要取引銀行として同社の再生計画に参画し、協力する意向があるとのことである。

(4) RCCは、B行から再生を目的とした再生型管理信託を受託することにより、B行の協力を得、メイン銀行であるA行と協働しつつ、"W社"の円滑な再生計画を検討していく。

2. 信託契約の内容
(1) 信託契約締結予定日  :  平成14年9月30日
(2) 受託債権元本  :  B行からの受託 約130億円
※再生法による買取  :  C・D・E行計   約180億円
(3) 信託期間  :  1年6ヶ月

3. 再生型管理信託の意義
以下の事由等から、金融再生法53条等で直ちに売却することになじみ難いケースで、RCCの企業再生や調整機能を活用手段として、本件再生(調整)型管理信託の活用が可能。
(1) 再生を目指す企業の債権を売却することによって、企業との関係を完全に断ってしまうことは好ましくない場合。
(2) 当該企業の再生計画策定にあたり、主要取引金融機関等としてRCCと共同での参画が必要であり、再生後も取引の継続が必要な場合。
(3) 債権者である金融機関が多数あって、その利害調整が難しい場合。

再生型管理信託スキーム概要


【平成14年度上期証券化型信託(第2号)の受託】
1. スキームの概要
(1) 金融機関等に対して、金融再生法53条での買取り対象外の債権を中心に幅広く募集するとともに、RCCおよびモルガンスタンレーグループが金融機関等から購入した不良債権等を、最終処理(オフバランス化)するために、SPCを通じて、RCCと三菱信託銀行に信託譲渡する。

(2) 受託した不良債権は、投資家が購入し易いように外部の格付けを取得したうえで証券化し、モルガン・スタンレーを通じて幅広い投資家向けに販売する。

(3) 不良債権の回収は、主としてRCCのサービサーが行うこととし、これまでのノウハウを最大限に生かして回収の極大化を目指すことにより、回収の信頼性を確保する。

2. 今後の予定と証券化規模
(1) 信託契約締結予定日  :  平成14年10月上旬
(2) 受益証券の販売  :  10月中旬以降の予定
※信託期間、発行条件等は現状調整中
(3) 受託不良債権元本  :  約3,400億円、債務者数 :約300先

3. 証券化型信託の意義
(1) 金融再生法53条による買取対象外債権(系列ノンバンクの保有する債権、共同債権買取機構持込済み債権、政府系金融機関・生損保等の保有する債権等)、も対象とすることにより、金融機関等の不良債権のオフバランス化促進の選択肢が増大すること。
(2) 主としてパートナーや投資家等の民間マーケットの資金を活用したスキームであること。また、定期的にRCCの証券化商品を発行して幅広い投資家層に販売することによって、今後の不良債権証券化市場の拡大を図るもの。

証券化型信託(第2号)スキーム概要
以上