対外発表 The Resolution and Collection Corporation
ホームへメニューへ戻る


─ お詫びとご説明 ─

平成12年12月22日
株式会社整理回収機構
代表取締役社長 鬼追 明夫

 平成10年3月に債務者甲社から回収を行った以下の事案(以下本件という)について、当社の回収の基本理念に照らして、不適切な回収であったことをこのたび確認致しました。ここにお詫び申し上げる次第です。
当社では現在徹底した事実調査を行っており、厳正に責任の所在を明らかにし、今後このようなことが二度と起こらないよう当社の回収理念の徹底・債権者倫理の確立を一層心掛けていく決意であります。

第1. 事案の概要
1.  当社は破綻した住宅金融専門会社から甲社に対する債権を譲り受け、国民に二次負担をかけないという当社の基本的使命を踏まえ、公正で透明な手続きにより回収の極大化につとめてきました。
 当社が譲り受けた甲社に係る債権は、合計約1,100億円の巨額にのぼっており、当社は徹底した回収を図ろうとしてきたものです。

2. 本件の担保物件について(次頁の図ご参照)
大阪府堺市に所在する隣接土地2筆のうち1-1の土地(以下土地@という)には他の債権者である乙社及び丙社が第一順位で、また、当社はその後順位で根抵当権を有し、1ー2の土地(以下土地Aという)には当社が第一順位で根抵当権を有していました。
 甲社がホテル建設途上で工事中断したため、本件土地には建築骨材(以下構築物という)が林立し、一種の廃墟のような観を呈しており、地域住民にとって「醜いもの」と目に写っていたものであり、早期に新しい構想に基づく建物の建設が望まれていました。 また、本件土地はホテル建築という用途指定をしたうえで、大阪府が甲社に買戻特約付き(平成10年3月29日期限)で売却したものでした。しかし、もともと泉北地区という立地条件からするとホテルとしての利用に疑問が呈されていたこと、また、甲社の資力でそのままホテル建設を完成させることは不可能な状況にあることなどから、大阪府から買戻しを実行される虞のある土地であり、その売却は極めて難しい差し迫った状況にありました。

3. 回収取組の経緯
 このような状況のもと、平成9年6月頃から当社は、土地Aの根抵当権者として債権回収の極大化を図るため甲社をして土地@土地Aの一括・高額の売買を促進させること及びこの売買の大きな障害となっていた大阪府の買戻特約中の用途指定条件の変更方交渉の側面協力に取り組んでおりました。このことについては、乙・丙社ら他の債権者のご理解も得、むしろ当社の努力に期待を寄せていただいておりました。
 結果として、大阪府の条件変更の許可を得、両土地の一括売買にこぎつけることができました。

第2. 当社の回収の問題点
1. 本件売買契約に先立ち、甲社と買い手である丁社との間には両土地を合計43億円で売買すること、両土地の評価を土地@につき26億円、土地Aにつき17億円で評価し、合計43億円で売買することが事実上合意されていました。
当社が本件土地売買について、会社としての方針を最初に議論したのは、平成10年1月9日のことでした。前社長からは、乙・丙社から担保抹消同意書をとっておくようにとの指示が出されています。当社担当弁護士・職員は、乙・丙社からは土地@・土地Aを同時に売却することには了解を得ていたこと、そもそも土地Aについては乙・丙社は担保権を有しておられなかったことから、土地@については26億円と評価したことをお伝えした上で各9億円の弁済により担保抹消する旨の担保抹消同意書をいただきました。しかし、土地Aに関する17億円の評価、合計43億円で売買されることを伝えようとしませんでした。しかし、契約関与者間の信義の上からも乙・丙社には43億円という全体の金額及び土地Aの17億円という評価額もお伝えすべきでありました。

2. 更に、国土利用計画法に定める届け出に対して大阪府から土地@土地Aの評価額が著しく不均衡であるとの事実上の勧告を受け、以上の売買契約のスキームが不可能となると、土地売買契約とは別個に、本件土地上の構築物についても甲社と丁社間で売買契約を締結すること(売買代金については甲社の説明では10億円。但し、未確定)の話し合いが行われ、当社担当弁護士・職員も関与しておりました。土地上の構築物については、根抵当権の効力が及ぶものであり、本来であれば根抵当権者である乙・丙社にお知らせすべきでした。丁社から売買金額の査定に約2ヵ月を要するとの説明があり、大阪府による買戻期限が迫っている中で構築物問題についてお知らせしないまま、甲社と丁社との間に平成10年3月30日に合計33億円(土地@につき26億円、土地Aにつき7億円)の売買契約が締結されるに至りました。

3. 同年6月になって、乙・丙社に対して重要な情報である構築物問題について伝達がなされていない問題性に気づき、経緯の説明方々お詫びに伺ったものの、徹底した事実調査を行わなかったため前記1の当社の不適切な対応に気づかないまま、不十分な説明と謝罪しか行わず、現在に至ってしまった点です。

    [本件担保物件の模様]
1-1
(土地@)
約4,725坪
1-2
(土地A)
約450坪

以 上